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作品のファンを増やす

小劇場の客席はだれで埋まっているか:制作をしていた側から見た「満席」の中身

小劇場界隈 編集部 2026年11月7日(土)

IN SHORTこの記事のまとめ

  • 小劇場の客席(30〜50席ほど)は満席の回が多くても、埋めているのはリピーターと関係者で、新しいお客さんは2〜3割ほど。その「新規」も、界隈の中で推しが移っただけのことが多い。関西の小劇場で制作に関わってきた人への聞き取りから、満席の中身と、出る側のお金の実情をまとめました。

この記事について

関西の小劇場で、公演の制作・運営に関わってきた人に、客席と出る側のお金について5つのことを聞きました。数字はどれも聞いた人の体感で、調べた統計ではありません。編集部

満席の中身は、リピーターと関係者

関わってきた公演の客席は、30〜50席ほど。満席の回は多かったものの、埋めていたのはリピーターと関係者で、新しいお客さんだけで数えると2〜3割ほどに見えた、と言います。聞き取り

新しいお客さんが増えにくいわけ

映画や有名な舞台と同じで、演目・団体・出演者のどれかに興味が無いと、人は観に行きません。小劇場では、有名な演目を上演するお金が無いことが多く、オリジナルの脚本になりがちです。知らない作品は、観る側にとって冒険になります。聞き取り

チケットは3,000〜6,000円がふつう。劇団四季のような大きな所なら1万円前後で、それなりの価値が約束されている。値段は1.5倍から2倍でも、知らない小劇場の舞台にわざわざ冒険しに行く人は少ない、というのが聞いた人の見立てです。聞き取り

「新規」の多くは、界隈の中の推し変

新しく来た人も、キャストをどこかで知って顔のファンになった人や、目当てのキャストを観に来て、同じ舞台の別の人に推しを変えた人が多いそうです。新規だと思っていたお客さんが、実は元はほかの誰かのファンで、推しが移っただけということも多く、小劇場界隈の全体で見ると新規が増えていないことも多い、と言います。聞き取り

出る側のお金:稽古中は報酬なし

  • 稽古の期間は報酬なし。稽古場への交通費も自腹聞き取り
  • 報酬は、本番期間のチケットバック・チェキ・自分の物販の売上が多い。チケットのノルマは無い所が多い聞き取り
  • 人気の無い人は、基本は赤字。人気のある人でも、その期間にアルバイトをした方が、お金だけなら収入が高いことがある聞き取り
  • チェキが40〜50人に売れることもあるが、主催でない限り分配があり、自分の取り分は3〜4万円ということも多い聞き取り
  • 稽古と本番で5日ほど拘束される。1日の長さは公演で違い、数時間の日もあれば、午前から夜までの日もある。みんな生活費のための仕事を持っているので、集まれる日に一気に稽古をする考え方がある聞き取り

5日で3〜4万円なら、1日あたり6,000〜8,000円です(交通費を引く前)。1日の長さが公演で大きく違うので、時給にした数字はここでは出しません。編集部

作品で選ばれるには、稽古にお金がいる

見た目ではなく作品で選ばれるには、演技の質のそろったメンバーを集め、題材も面白いものにして、そのメンバーでしっかり稽古をしたい。そうなると稽古の期間にも報酬を払いたいが、そのお金が無い。そこがいちばん難しい、と言います。聞き取り

このサイトがしたいこと

小劇場界隈は、このサイトで得たお金の一部を、役者への仕事(聞き取り・観劇記・出演など)として回していくつもりです。あわせて、作品と技術で舞台を選ぶ人を増やすための読みものを続けます。編集部

SOURCES出典

この記事は、関西の小劇場で公演の制作・運営に関わってきた人への聞き取り(2026年11月7日)をもとに、編集部がまとめたものです。数字は聞いた人の体感で、調べた統計ではありません。劇団名・劇場名は出していません。

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